芦辺拓『裁判員法廷』
以前に書いた『彼女らは雪の迷宮に』に続いて、芦辺拓さんの森江春策シリーズ『裁判員法廷』を読了!
題名から分かるとおり、この作品のテーマはいよいよ始まる「裁判員制度」。
読者は3つの異なる事件を一人の裁判員として見ることになるのですが、何故か主観的な視点ではなく第三者的な視点で描写されていきます。
「自白」以外の事件の真相はさほど面白くありませんが、注目は判決を下す裁判員たちの評議の部分。
特に「評議」の時は、『12人の優しい日本人』や『十二人の怒れる男』のような丁々発止のやりとりを期待していたのですが、あまりに文章のテンポが悪い。
描写を削って発言をテンポ良くつなげるべきだった気がします。
裁判員制度のシミュレーションとしては良いかもしれませんが、一つの読み物としては・・・・・。
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裁判員法廷 芦辺拓
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